第6回バイオフィリア・リハビリテーション研究会
副大会長挨拶



武藤佳恭

(慶應義塾大学環境情報学部教授) 

 リハビリテーション医学と私の専門であるニューラルネットワークソフトウエアの融合が示す学問領域の融合や一つの大学のみでなく大学聞の知の共有の視点から,第6回バイオフィリアリハビリテーション研究会が本学で北里大学医療衛生学部教授加倉井大会長の下,開催される事に大きな意義を認めています.   
 早いもので私が1998年にこの会に係わって5年が立ちます.   
 この間,私の研究室の持つ技術が,神経再活性化の証明やタキザワプログラム実施に伴う立位歩行訓練の評価を定量化でき,国民の生活向上に役立つとの考えから,加倉井大会長,木村学会長と滝沢事務局長(氏)やその他会員諸兄との連名で,研究助成を申請した数は,慶応大学としての申請も含めて, 20を超えているように思います.   
 私は当初,この研究は利用器具の構造が簡単なこと,あまりに当たり前すぎることから研究するより, 「手当て」治療に代表される宗教にしてしまったほうが,普及が早いと氏に勧めたこともありました.そのたびに,これは一連のシステムなのだと氏の説明を受けました.   
 公的資金助成による研究や, 2000年及び2001年の日本医科大学での研究会を踏まえ,その持つ意味を明確に把握したことから,プログラム自体の価値を英文論文にするため,氏を私の研究室に研究員として迎え,研究を重ねています.   
 現在この論文採用が,我々の研究のより一層の発展に向けた転機になると確信し,努力しています.また今次研究会から,予稿集を基礎に雑誌を発行することとなりましたので,私も森田能子編集委員長のもと編集委員に参加しました.NPO発足への申請もあり,今後会員諸兄の一層のご協力を期待します.   
 少子高齢日本社会は活力を失う懸念があります.我々の研究により,脳や骨に障害があっても自立生活可能である事を明確にする事により,健康老人が安心して就労を含めた社会参加ができ,社会に寄与する.また各人が何歳になっても自立生活でき,その事によって,次の世代に過度な負担を求めないで済む社会が構築できるよう,会員諸兄ともども努力を続ける所存です.