バイオフィリアリハビリテーション研究と予稿集

 バイオフィリアは語源がラテン語であり、辞書では種族保存能と記載するものもある。またギリシャ語ではバイオは命であり、フィリアは愛です。特に我々が用いているバイオフィリアは米国哲学者エーリッヒ フロムの「希望の革命」序文をその出典としています。

 「私達多くの中になおも存在する生命への愛(Biophilia)、生命を脅かす危険を十分に認識した時に初めて、この潜在力を動員して変化をもたらす行動に移る事ができる。」
 このバイオフィリアをもとに、我々の学会名、ジャーナル名は、「障害者になったときにこそ、自分が人間として生き続けたいと願う心・意志」を表象しています。

 我々の研究は単にリハの手法の研究ではなく、これまで治らない・インペアメントと言われた身体機能の動きを改善することによる高齢障害者の自立の獲得を基礎とした新たな生活文化の確立です。
 高齢者自身が障害を得ても自立を基調とする新たな暮らしをする事は、次世代へ過重な負担をかけずにエイジングクライシスを食い止める事です。

 慶應義塾大学の創始者の福沢諭吉氏が「文明論の概略」の中で、日本社会を旧来の慣習や役人の指導に依存する「半開社会」と位置付けました。

 日本においては、この研究により高齢者自身が障害を得ても自立生活できることにより、この「半開社会」を、依存心を克服し、生きることに自ら責任負う自立した人々によって確立される「文明社会」に転換する機会になる、と期待しています。

 高齢までの生存を獲得した人類にとり、人口ピラミッドが逆転するという未曾有の社会においても、「高齢障害者が自立生活をおくれるようになり、社会保障負担が減って、人類が皆希望をもち豊かに暮らせる」を実現するために参加される皆様と共に貢献したいと決意しています。

 このジャーナルと予稿集は、ともに進む皆様の研究と実践の発表の場として存在しています。

 国際学会の英文誌「BIOPHILIA]と共に、ご投稿を期待しています。