会長挨拶
 





 会長
 白澤卓二       
 (順天堂大学医学部研究科・加齢制御医学講座 教授)



 バイオフィリア(Biophilia)、あまり聞いたことのない言葉ですが、人類愛、生命愛、種の保存、などを意味します。

 リハビリテーションの発達を顧みますと、本来、社会的復権という側面を重視して発達を遂げてきたものですが、医科学の分野では解剖生理学分野を中心に発展してきた学術分野です。解剖生理学的側面においても、初期のころは物理学的刺激による生体の反応を中心に捉えた治療学として発達してきました。その後、科学的根拠に基づく運動学的手法が主体となり、医療機関におけるリハビリテーションの主流を占めるに至りました。

 一方、人口の高齢化に伴い、認知症や骨粗鬆症、脳血管障害などの加齢性の疾患が増加し、医療費は日本国内総生産(GDP)の7%を突破するにいたりました。医療費の圧迫は、国民の容認できる限界に達し、健康保健医療における改革が重要な政治的課題になっています。今日の医療サービスの内容は急性期に集中するところとなっています。しかしながら、今日の高齢化社会での医療のあり方を考えると、予防医学的リハビリテーション、さらには地域リハビリテーションの発展が必須の医学的課題と考えられます。
 
 このような背景から、私たちは地域リハビリテーションサービス連絡網を充実させ、急性期のみならず回復期リハビリテーションサ-ビスを円滑に進めるための学術研究と技術推進を目指しています。医師、保健師、看護師、PT、OT、ST、ORT、介護福祉士、社会福祉士、精神保健福祉士、ヘルパー、薬剤師、栄養士、社会科学、情報・通信工学、機械工学などの関連学際領域の研究者および技術者がバイオフィリアの旗印の下に集まり、「世のため人のため」に研究計画を進めております。

 これまでに、高度先進工業技術の開発を含め臨床用のデバイス開発など、健康寿命の延伸を目指した技術開発および科学的根拠作りを進めています。

 今後の高齢化社会に適応した医療を実現できるような横断的リハビリテーションが急務であり、これらのあるべき医学、医療を包括的に研究する学術団体を目指しています。