第6回バイオフィリア・リハビリテーション研究会
研修会主催者挨拶



長岡健太郎

(医療法人社団湘南健友会長岡病院理事長) 

 初めて研修会が開催されます.
 私の施設は昭和60年に医療法人社団となり,昭和62年には理学療法士の滝沢恭子さんに非常勤勤務を御願いしました.

 その後昭和63年に特例許可老人病院となり,直に常勤で勤務してもらうようになりました. そのころは手書きのリハビリテーション(リハ)カルテを利用しており,私は内科が専門であることから,特別なプログラムを実施しているとは本人同様気づくことはありませんでした.

 平成5年ごろから色々な器具の公的研究が始まったそうです.見慣れぬ器具が増えてきました.
 平成6年には介護力強化病棟を設置しましたが,文字通り寝たきりでここに入院された患者さんたちが歩行を取り戻し始めました.今回の研修で教科書に利用される「寝たきり老人を歩かせる」はその経過を詳しく述べたものです.

 平成10年には定員90名の介護老人保健施設湘南の丘を開設しました. この施設です.ここに滝沢さんに異動してもらいました.同時に一度に多くの入所者・患者さんたちに,その人その人ごと個別に綿密な計画のもとリハを実施してきました.もたらされる結果や,療法士1名対リハ対象者多数の個別リハができる事実がタキザワプログラムの結果であることが,近年のこの施設を舞台にした研究で明らかになっています.

 今回行われる研修では定型化したプログラムの実際や,利用器具,考案した管理方法,評価方法などを体験してもらいます.

 寝たきりでいる必要のないのに,廃用性から寝たきりになってしまった入所者・患者さんが色々な施設に多くいると思います.

 皆さんの,この研修への参加が,寝たきりでいる必要がないのに,廃用性から寝たきりになってしまった入所者・患者さんが歩行を取り戻し,退院退所して,自立生活を取り戻すきっかけになると確信しています.
 遠く秋田・宮城・大分からも参加されています.

 意味ある研修を受けられる事を期待します.