大会会長
慶應義塾大学理工学部
教授 田中敏幸


第17回大会に向けて

 2013年に開催される第17回大会の大会長をお引き受けすることになりました。

 私の研究分野は医用画像解析・パターン計測です。近年、高齢化に伴い多くの病院で患者数が増加する傾向にあります。イメージングによる診断支援としては、fMRI、fNIRS、X線CTなど最先端の技術を利用した装置が開発されており、それにより診断の精度は格段に上がっています。

 しかし、患者が増えることによる医師一人あたりの負担は減っていないように思います。医師の負担軽減のためには、画像解析を中心とした診断支援システムが必要不可欠と考え、医用画像処理の研究を進めています。
 リハビリの分野でも、高齢化に伴い患者が増加し続けており、一人の患者に対して理学療法士が1対1で対応する現在のシステムに限界が生じています。

 今後は、一人の理学療法士が複数の患者に対応する新しいリハビリシステムが必要になります。
また、これからの社会では医療費の自己負担額が今まで以上に増加することも予想されるので、病院に行く回数を減らして自宅でもできるリハビリシステムが必要になります。 このシステムに必要になるのが、リハビリを効果的に行うための器具と、効果的なリハビリを提供するための診断支援システムだと考えています。

研究発表と交流を通じて、第17回大会がリハビリの分野での新たなイノベーションを興す機会になればと思います。