第23回大会
2022年2月10-11日

横浜市

第23回大会に向けて

 



慶應義塾大学 理工学部 物理情報工学科
教授 田中敏幸


ご挨拶


2020年に開催される第23回大会の大会長をお引き受けすることになりました。
私の研究分野は医用画像解析・画像計測です。医療現場における診断支援システムとして、fMRI、 fNIRS、X 線 CT など最先端の技術を利用した装置が開発されており、それにより診断の精 度は格段に上がっています。しかし、高齢化社会となった近年では、医師一人あたりの負担は減っていないように思います。医師の負担軽減のためには、画像解析を中心とした新しい支援システムが必要不可欠と考えています。高齢化社会では、リハビリ科の医師、理学療法士、大学が一体となって、新しいリハビリのあり方を考えていくことが必要不可欠です。

リハビリの分野ではすでに、一人の患者に対して理学療法士が1対1で対応する現在のシステムに限界が生じています。今後の高齢化社会では、一人の理学療法士が複数の患者に対応する新しいリハビリシステムが必要になります。患者一人ひとりについて脳の損傷部位が異なり、異なるリハビリが必要となるので、それぞれの患者に対して利用する器具を変えていく必要があります。また、それらの器具をどのように用いることが一番効果的なリハビリなのかを考えることも必要です。新医療システムの提案・器具の開発・リハビリのシステム設計、これらを有機的に結びつけることによって、次世代のリハビリシステムが完成していくと考えています。

これまでにバイオフィリアリハビリテーション学会が行ってきた活動が認められ、2019年6月に神戸で開催された13th ISPRM(International Society of Physical and Rehabilitation Medicine World Congress)において招待講演を行いました。私たちの活動により、今後、大きなイノベーションが起きることが予想されます。
研究発表と交流を通じて、第23回大会がリハビリの分野での新たな展開が起きる機会になれば幸いです。。